森林は、風景として眺めるだけでもいいものですが、そのなかへ入っていくとまた違った感情が、呼びさまされます。ほっとしたり、明るい気持ちや幸せな気分になったり。そしてなぜか癒されたり、懐しい思いがこみあげてきたりします。どうしてでしょうか。幼い子どもたちを森林につれていくと、いっそうそのことが感じとれるのは、なぜでしょう。
森林の空気が清々しいから。緑のなか、木も山陽が美しいから。
踏みしめる枯葉の音、雨や霧に濡れた木の匂い...。小鳥がさえずり、虫たちの飛ぶ羽音が聴こえる。ときには小さな動物たちが見え隠れするから...。それが、理由でしょうか。
わたしたち人類はどこで生まれ、どのように進化してきたのか。
その答えにヒントがありそうです。
いまの人類につながる、わたしたちの祖先は、太古のアフリカの森林地帯で誕生したと考えられています。そしてその森林の環境のなかで脳を発達させ、コトバを持つようになった。その遺伝子がいまにつながっているわけです。森林に入ると気持ちがよくなるのは、この状態こそが人間にとっての本来といえるからですね。森林こそが人類の故郷であり「ゆりかご」だった。そう思うといろんな謎が解けてきます。
ところが5万年前に、人類はその故郷の森林を出て、方々に分かれていった。そうして文明を起こします。文明に使えるからと森林をどんどん伐採して、今日のような成長をとげていく。 しかし、21世紀に入って、ようやく気づきました。いまのままでは人類はおろか地球そのものまで滅びてしまうと。この地球環境にとって森林の果たしている役割を。森林は地球に生きる多様な生きものの生命の源であることを。人間は、森林なしには生きられないことに気づきはじめたのです。
まだ。いまなら、森林は、待ってくれているはずです。
「お還りなさい、森林へ」。
わたしたちは遠い記憶を呼びおこし、応えなければなりません。
わたしたち「森林ノ」は、できることからはじめました。まず森林のなかへ。森林のまわりへ。そして森林となにかをつなげること。森林と人をつなげること。同じ思いの人と人をつなぐこと。「森林と生きる」。森林ノ子としての小さな一歩ですが、ごいっしょに歩みだしませんか。






