今年の放牧、遂に終了
こんにちは!
森林ノ牛飼い、斎野です。
もうあちこちで言っているので、耳にタコ、という方もいらっしゃるかもしれませんが。
今年の放牧地は、本当に草が豊富で!
これはもう、牧場スタッフ全員の、日々の努力の成果なのであります。
堆肥を撒き、牧草の種を撒き、牛の食べない草を駆除する。
すべて手作業。
傍から見たらバカみたいな、非効率的な作業です。
これを毎日毎日、繰り返しています。
外から勝手に入り込んでくる雑草もあります。
これだって、牛の食べる草なら残します。
私に言わせれば、牛が食べるなら、それは立派な牧草なんです。
だから草地更新なんて、絶対しません。
今ある植生を残し、繁殖してもらう。
牛の食べない草だけ、人の手で減らしていく。
春の草は、寒地型牧草が主体です。
オーチャードグラス、ペレニアルライグラス、ケンタッキーブルーグラス、シロクローバーなどです。
しかし梅雨が明け、連日強い日差しが照り付けるようになると、これらの草は勢いがなくなってしまう。
その頃によく伸びるのが、オヒシバ、メヒシバ、エノコログサといった、一般的には雑草と呼ばれる夏草です。
夏の雑草類は、我々が何もしなくても勝手にどんどん繁殖して、放牧地を豊かにしてくれます。
採草利用するなら、こういった雑草類は駆除対象。
でも、放牧利用なら大歓迎です。
低い草丈で、びっしり密生してくれる。
牛も喜んで食べます。
9月に入り、爽やかな風が吹き始めると、寒地型牧草が再び伸び始める。
秋は夏草と寒地型牧草が混生し、独特の生態系を作り出します。
様々な花が咲き、穂が出て、賑やかな草地に。
放牧地の植生管理には、当初かなり苦労しました。
特に梅雨明け以降は青草が不足し、放牧とは名ばかりで、購入乾草に頼っていた時期もありました。
それが今年は。
牛達にはしっかり青草を食べさせながら、4月~10月まで、まるまる7か月間、放牧できるようになりました。
もちろん補助飼料として、購入飼料も使ってはいますが。
ウチは放牧酪農ですよと、ようやく胸を張って言える状態になってきました。
そんな今年の放牧も、とうとう10月31日で終了。
春までの5か月間、放牧地は冬期休業。
もちろんその間も、堆肥を撒いたり雑草駆除をしたり。
放牧地の管理は、休むことなく続いていきます。
そう。
また来年、豊かな放牧地を実現するために。