牛のいる小学校② 〜レイリーがやってきた!〜
<9月20日>
いよいよレイリーがやってきました。
軽トラックに乗ってレイリーが学校に入っていきます。
初めての環境で子供達に囲まれて興奮して走り出すかなと思っていましたが、
レイリーは子供たちに囲まれ落ち着いて小屋に入って行きました。
レイリーの入学式。
生徒の言葉で迎えられたレイリーは落ち着いて柵の中の草を喜んで食べているようでした。
レイリーの餌やり方法や小屋掃除の方法のレクチャーを受け、この日からレイリーの飼育当番が始まりました。
レイリーを触る時や入る時の注意事項などは他の学年にも守ってもらうようにと、手分けして各学年に説明をしました。


<9月22日>
レイリーが学校に来て初めての週末。
心配だった田中先生はこの週末、レイリーの小屋の横にテントを張ってレイリーと一緒に学校に泊まりました。
レイリーを小学校で飼育するにあたって誰よりも尽力し、誰よりレイリーのことを心配しているのはこの田中先生です。
牛を飼うと決まってからは地域の方にお手伝いをお願いし、映画上映会のために各所の調整をして、毎週末のように週末も子供達の当番に付き合い、誰よりレイリーと一緒にいました。
この後も子供たちにレイリーを通して沢山の経験をしてもらいたいと一生懸命尽くします。
田中先生の精一杯「やりきる」力がレイリーとの時間を濃くして子供たちの経験をより深くしたことは間違い悪りません。
田中先生あってのレイリーの取り組みです。

<9月30日>
この日はレイリーの写生会。
青空の下、大きな画板をもって思い想いのレイリーの姿を描いていきます。
絵を描くことでレイリーを観察して、レイリーへの愛着がどんどん深まっていくのを感じます。
この写生会はスタッフの野田が熱望したことでもありました。
野田の生まれは兵庫県但馬地方。
「但馬牛」で有名な黒毛和牛の産地で、実家でも昔牛を飼っていていました。
地域のお祭りで牛の絵画コンテストがあって、みんなで牛の絵を描いてコンテストをしたことが思い出に残っていたそう。
学びの森の生徒たちにも同じような経験をしてもらいたいと強く望んでいて、田中先生にも絵画展を是非やりましょう、と伝えていました。
「自分の良い経験を人にも経験してもらいたい」
という純粋な気持ちは、何かを成し遂げるためには強い力だと思います。
「良い思い出」は自分のものだけのようで、人に影響与えるための源泉にもなるのです。
<10月12日−17日>
台風19号の接近を受けて森林ノ牧場へ一旦避難することにしました。
学校での生活が板についてきたので森の中で他の牛と一緒に過ごすのが逆にちょっと不思議な感じでしたが、
約1週間生徒たちと離れて過ごしました。
軽トラックでの移動も慣れてきたようです。
台風がさるとしばらくいい天気が続きました。
レイリーのお世話も慣れてきて先生がいなくても小屋掃除やお散歩ができるようになりました。


<11月10日>
この日は「学びの森ふれあい祭り」という地域のお祭りです。
もちろんレイリーも参加します!
お祭り会場に連れて行ってレイリーとのふれあいができるようにしようと、生徒たちが考えました。レイリーの横で生徒たちはレイリーグッズの販売もしています。


しかし、流石に大人数で出し物があって大きな音がなる中でレイリーも疲れたのか、後半は座りっぱなしだったので、早々にレイリーは退散。
レイリーお疲れさま!
この頃にはすっかり顔つきも変わってきて大人っぽくなってきたレイリーです。